鍛造Q&A

Q01どんな材質が鍛造可能ですか?
A01

SS,SC,SCr,SCM,HSK等の鉄です。
当社加工実績:トレーラー用フックワイヤー固定丸棒

Q02鍛造可能な長さはどの位ですか?
A02

形状や重量にもよりますが、ロール加工することにより、700ミリ位まで可能です。
当社加工実績:送電用架線金具

Q03鍛造可能な重さはどの位ですか?
A03

製品重量で約15キログラム、材質重量で約20キログラム位まで可能です。
当社加工実績:架線金具ピンキャリア

Q04鍛造後の加工は可能ですか?
A04

NC旋盤、マシニングセンターの設備もありますので、機械加工は可能です。
当社加工実績:フランジボトムトラニオンボトムキングピンコートランド

Q05鍛造の基本的な工程を教えてください。
A05

形状や重量にもよりますが、ロール加工することにより、700ミリ位まで可能です。
当社加工実績:送電用架線金具

Q06鍛造方法の違いによる精度を教えてください。
A06

鍛造方法には大きく分けて3つの方法があります。
熱間鍛造・温間鍛造・冷間鍛造で、温度によって精度は大きく異なります。
各々の精度は下の表のとおりです。

各種鍛造製品の精度


鍛造工法を決定するとき次のことに注意が必要です。

  1. ①製品形状と精度
  2. ②トータルコスト
  3. ③金型寿命
  4. ④機械加工代


その他に工法によって型費が大きく変わりますので、必要な数量によっても工法の選択が必要となります。

Q07型割線の考え方を教えてください。
A07

形状や重量にもよりますが、ロール加工することにより、700ミリ位まで可能です。
当社加工実績:送電用架線金具

上下型で深さが異なる場合は、深い方を抜け勾配の基準とします。

上下型で深さが異なる場合は、深い方を抜け勾配の基準とします。

Q08抜け勾配の設定について教えてください。
A08

製品の軸側は、鍛造時の温度が下がるにつれて収縮するため、金型と製品に隙間ができ抜けやすくなるが、製品の穴側は金型に閉まる状態となり抜けにくくなります。このため、穴側の抜け勾配は軸側より2~3°大きくします。

上下型で深さが異なる場合は、深い方を抜け勾配の基準とします。

当社では型命数や製品に入る傷を考慮して5~7°の抜け勾配を設定する場合が多いです。

Q09鍛造品の公差について教えてください。
A09

熱間鍛造品の公差はJIS B 0415 「鋼の熱間型鍛造品公差」を一般公差として用いますが、お客様の製品図や客先独自の規格により制限される場合や機械加工条件、ハンマー・型の精度を考慮する必要があり、一律的な公差を付けることができません。
鍛造品の公差(JIS B0415で定義されている公差及び許容値)
詳細な公差はJIS B0415を参照してください。

Q10機械加工を行う場合の取り代について教えてください。
A10

熱間鍛造品の公差はJIS B 0415 「鋼の熱間型鍛造品公差」を一般公差として用いますが、お客様の製品図や客先独自の規格により制限される場合や機械加工条件、ハンマー・型の精度を考慮する必要があり、一律的な公差を付けることができません。

鍛造品の公差(JIS B0415で定義されている公差及び許容値)
詳細な公差はJIS B0415を参照してください。

機械加工代の設定
機械加工代はできるだけ最小限にすることにより、加工時間の短縮、切削工具の寿命向上、材料費の低減につながります。

取り代を設定する場合は以下のことにご注意ください。

  • 型ずれ量
  • 打痕の深さ
  • 機械加工の加工基準による相対的な位置のばらつき


加工後に鍛造肌が
残らないように、鍛造作業に無理のない加工代を設定します。

例えば機械加工品の寸法が50±0.5の場合、鍛造品の寸法(公差)は51±1というように鍛造公差内に
入っていれば機械加工の取り代が確保できる寸法を設定します。ハンマーによる熱間鍛造品の寸法は
「鍛造品のばらつき」「型ズレ」「打痕」等様々な要因を考慮して可能な限り大き目を狙います。鍛造屋とし
ては「取り代」を大き目に確保できれば鍛造し易いのですが、大きくしすぎると機械加工の負担が増える
為、お客様や機械加工屋さんとの間で折り合いをつける必要があります。

Q11加工基準の設定方法について教えてください。
A11
  • 平面度や円筒度が確保できる部位を選ぶ。
  • 基準となる部位は、抜け勾配を極力小さくする。
  • 曲がりや歪の影響を受けない部位に設定する。
  • 取り代が最小となる部位に設定する。
  • 精度が必要である部位にできるだけ近い位置を設定する。
  • 加工基準から寸法をだし、公差を決める。
Q12鋼種ごとの鍛造温度を教えてください。
A12

鉄鋼では炭素量が増すに連れ鍛造温度は低下します。
特殊鋼の鍛造温度は低炭素鋼とほぼ同じ温度と考えればよいです。
詳細は下記の表をご覧ください。

Q13鋼材に含まれる元素の各々の特性を教えてください。
A13

鋼材には主に5つの元素が含まれています。
各々の特性は以下の通りです。

C:硬さや強さを向上させます。
Si:Cと同じく硬さや強さを向上させるが効果はCの1/7です。
Mn:焼き入れ性を向上させ、鋼材に強靭性を与えます。
P:鋼材を脆くし、強靭性を低下させます。
S:約900℃で赤熱脆性を起こします。

Q14合金鋼に含まれる成分の特徴を教えてください。
A14

添加成分には以下のものがあります。

Cr:クロム炭化物を形成して高強度、耐摩耗性の向上を狙う。
Ni:靱性、粘性の向上と耐高温性を狙う。
Mo:靱性の向上と結晶粒の粗大化を防止する。
V:バナジューム炭化物の形成で高強度、結晶粒の成長防止する。

当社加工実績:マスターリンク(Cr)入力側フランジ(Mo)

Q15型支給による鍛造依頼は可能ですか?
A15

条件により可能です。しかし事前に弊社が型を確認の上、可否を判断します。

お問合せ先:株式会社平松製作所
Tel:052-612-9761
Fax:052-613-3544
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